あけましておめでとうございます

2008年賀状_ミルキー.png

あけましておめでとうございます。

昨年も多くの方にお世話になりました。大きな出来事……はありませんでしたが、振り返ると、本当に良い一年だったなという気持ちです。ここ数年はずっとそうですが、昨年はとりわけその気持ちが大きかったですね。安定していました。

……なんだかあまり中身の無い地味なご挨拶となりましたが、どうぞ皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。今年は本の衝動買いを控えます。

広告

A1ゴシックとアンチック

この秋にリリースされた、
モリサワ「A1ゴシック」の普及が早く、
使用例をすぐに見つけられるような毎日になっています。
人気書体「A1明朝」の骨格をベースとした
ゴシック体として生まれたものです。

メーカーの解説文は以下のようになっています。

A1明朝の基本となる骨格を参照して作成された、オールドスタイルのゴシック体ファミリーです。線画の交差部分の墨だまり表現や、エレメントの端々に僅かな角丸処理を加えることで、温もりのあるデザインに仕上げています。 LからBまで4つのウエイトで展開されています。

実際の使用例は、例えば昨日の新聞にあったコチラ。

A1ゴシック・JA共済.png

A1ゴシック・JA共済3.png

年間ライセンスシステムである
「モリサワパスポート」を契約していれば
直ぐに使えてしまう新書体なので、
あっという間に普及したのでしょう。

これまで「中ゴシックBBB」「太ゴB101」
「見出ゴMB31」「ゴシックMB101ファミリー」の
独壇場だった場面がA1ゴシックに……という印象です。
(ちなみにワタシはこれらの書体の代わりに
「游ゴシック体」や「こぶりなゴシック」を選ぶ事が多いです)

形のバランスが良い書体とはお世辞にも言えませんが、
その表情がかえってファンを生み出しているように思えます。
英数字が、人気書体「Gotham」に近いというのも
大きいかもしれません。この墨溜まりや角丸処理は、
食品等の「シズル感」を伝えるのにも丁度良いでしょう。

「この流れで行くといつかA1丸ゴシックも……?」
と思ってしまうのですが、
モリサワの仮名書体「丸アンチック」は
A1ゴシックに似た骨格だったりします。
(墨溜まりや角丸処理は、ありませんが^_^;)

それもその筈、マンガのフキダシなどで使われる、
モリサワの「アンチック」自体が、
「A1明朝」をベースにしているように思えるからです。

A1ゴシック・丸アンチック.png

この4つは似通った骨格をしています。
もっとも、今回のA1ゴシックに関しては
「他のものよりレトロ感を強くしている」
という感じも致しますが……(^_^;)

この普及の速さを見ると、
モリサワのこのフォントは、
多くのユーザーの
ニーズを掴んだと言えるのでしょう。
同じくフォントワークスからも
「ユーザーのニーズを把握しているなぁ」
と感じるリリースが多くなっています。
写研とモリサワの記事を書いた自分ですら、
(Googleで「写研」と検索すると3番目に出てくる)
「写研の動向が何も見えなさすぎる」せいで
モリサワやフォントワークスへの期待を
高めることになる一方です。

しかし、モリサワの「A1明朝」には
「写研の石井明朝体オールドスタイルの複製」
という考察がつきまとうのだとか。
写研もいち早く書体をOpenType化することで
かつての勢いを放ってほしいと願うばかりです。

……にしても、A1ゴシックが「使いやすそう」なのは、
もうすごく分かる……!!!

採用しなかった2018年の年賀状

採用しなかった2018年の年賀状。戌年なので我が家の愛犬ミルキー(コーギー)が登場。このデザインだと女性からのものだと勘違いされるのと、なにより「盛った」感じのものは自分で作ったのにあまり好きではないので、別案を採用しました。本案は超シンプルです。(ここに載せた案の下が妙に空いてるのは、住所を載せる予定だった場所のためです)

2018年は宛名面もオリジナルですよ(予定)。

2008年賀状試作_3_B_Web用@4x.png

 

ぜんぶ山でおきたこと 東京チラシ

ここ2〜3年は個人名義でデザインをすることが滅多にないので、ブログで紹介できるお仕事は限られてしまいます。昨年に作った栗坂菜穂さんの写真集、「ぜんぶ山でおきたこと」の東京イベントチラシを紹介します。このチラシも作ったのは昨年末です。

デザイン=小倉佑太
地図製作=米田勝信

zenbuyana_tokyo-1

zenbuyana_tokyo-2

特別なことはしていませんが、いろいろ意見交換を重ねて何度も修正した結果です。地図のデザインは写真集本体のメインデザイナーである米田勝信さんにお願いしました(旭川イベントのチラシの地図も)。オモテはとくに、余白が美しく見えるように気をつかいました。東海大学関連のものは、自分の好みをストレートに表現できることが多く、とても満足しています。制作の機会を与えてくださった栗坂さんに心より御礼申し上げます。

4月29日の日記

懲りずに書いてみます。いろいろと。

FullSizeRender 8.jpg

▲地元のフリーペーパーに載ってた広告。書体は、フォント1000の「TAこころ」だと思う(成人振袖〜の部分)。文字の中に水彩絵具。こういうナチュラルな感じは好きなんだけど、ちゃんとやったことはなかった。

「これをやるなら、まず文字をアウトライン化してー、複合パスにしてー、水彩絵具の画像をマスクしなきゃならないのかー」と考えていたら、アウトライン化せずともテキストのままで出来た(当方イラレCC 2017)。お気楽!
→参考サイト

水彩絵具の画像は「Photo AC」とかのフリー素材サイトに行けば沢山ある。でもこういうナチュラル系の素材って、本屋さんのデザイン書コーナーやPC書籍コーナーにあるガーリーな素材集にもあるかもしれない(ないかもしれない)。こんど書店で見てみよう。ちなみに最近、素材はネットから探すことが多く、CD-ROMになっているものはほとんど使わない感じ。

散策路.png

▲自分もイラレでつくってみた(稚拙ですが)。ここで使った書体は、フォントワークスの「ユールカ」。FWは他にもベビポップやパルラムネなど、使いやすいファンシー書体が多い。

しかしフォントワークスだけじゃなくてイワタやタイプバンクのLETSを試したい気もする。あと、MonotypeのLETSも。フォントを集めだしたら本当にキリがない。

FullSizeRender 8.jpg

▲さっきの広告にはこういうのも。こういう黄緑色ってあまり使ったことがなかったな。好きな色なのに使った記憶が余り無いのも不思議。「神社挙式プラン」の書体は「DS歩明」。自分は「DSきりぎりす」よりも歩明のほうが好き。「DSダダ」を使ってみたい。

FullSizeRender 16.jpg

▲新聞広告より。こういう、写真を三角にトリミングする技法があるのですね。これもまた勉強になりました。

4月21日の日記(書体の話題を中心に)

このブログは結構フォーマルな気持ちで書いていて、
故に丁寧語で記述することが多かったのですが、
「もっと手軽に書いても良いのでは?」思ったので、
iPhoneで撮った写真を材料に、「で、ある」調で
適当な文章を書いてみます。(若干偉そうになるんだよな…)

FullSizeRender 5.jpg

▲雑誌「装苑」2017年4月号の表紙。青と赤という補色の組み合わせ。見事にハレーションを起こしている。前衛的なファッションを取り上げる雑誌じゃなきゃ出来ない試み?

僕は正統派でトラディショナルなデザインが好きだけど、こういう「尖った」デザインも時代感が溢れていて結構好きだ。

FullSizeRender 2.jpg

▲その「装苑」にあった資生堂の広告。和文書体はヒラギノUD角ゴ。

ヒラギノのUD角ゴは、印象としては「こぶりなゴシック」に近く、やわらかくて可愛らしさもあると思う。「こぶりな」がW1・W3・W6のウエイトなのに対して、この書体はW3・W4・W5・W6の4つが揃っている。「こぶりな」も「ヒラギノUD」も、モリサワパスポートで使える。

他社のUD書体は余り好きじゃないんだけど、ヒラギノのUDシリーズは開発のコンセプトが好き。なんてったって「ヒラギノフォントは、生まれたときからユニバーサルデザイン」というくらいだもの。この一文を見たときは感動した。ところで、1番上にある凄く美しい欧文書体は何だろう?

FullSizeRender 6.jpg

▲これも「装苑」より。タイプバンクゴシックの本文。LかRのどちらかくらい?

このページのデザイン(※装苑はかなり多くのデザイナーさんが関わっておられ、特集ごとに雰囲気が変わるのも面白い)は佐藤亜沙美さん。かつて祖父江慎さん率いるコズフィッシュに在籍されていた方。

コズフィッシュの方々はタイプバンクの書体を良く使う印象。祖父江さんがミッフィーの絵本のためにデザインされた「ウサコズ」もタイプバンクゴシックが元だし、氏がカナモジカイの書体を復刻した「ツルコズ」もタイプバンクから出ている。

FullSizeRender 3.jpg

▲これも装苑より。こういう罫線の使い方があるのね。備忘録。

FullSizeRender 4.jpg

▲菊池亜希子「またたび」にあったもの。一時期からこういうのをよく見る。かっこいいな〜と思うんだけど、これはどういう理論なのだろう? たとえば自分がこういうデザインをするとして(やってみたい!)、そのときに「どうしてこういうデザインにしたのですか?」と訊かれたら「かっこいいから」しか言えない。でもこれは多くのデザイナーさんが使っている。詳しく知りたい。この本の和文書体はイワタのオールド(明朝・ゴシック共に)。

※全てにおいて写真が綺麗に見えるように加工しているので、
本物の色とけっこう違ったりします。