村上春樹さん新作タイトルの書体

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村上春樹さんの新作
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 が発売となって
話題になっていますね。 でも僕、この装丁をはじめて見たとき
「アレッ!」と思いました。 タイトルの書体に違和感があるんです。

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「A1明朝」を太らせて使っているようですが、
「た」という字だけ違うんですね。

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左=A1明朝(太らせたもの) 右=小説タイトルの文字

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重ね合わせてみたりもします。
(赤がA1明朝で、青が小説タイトルの文字)
三角目がやや下に降りているのが分かります。
四角目にも少し変更が施されているようです。
どういう意図でこのような変更をしたのか、
装丁を担当された方に訊いてみたくもありますね。

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ロダンという書体

フォントワークスからリリースされている「ロダン」という書体は、DTP黎明期に「ゴナ(写研)が無いから仕方なく……」と使われていた書体だと聞きます。最近はLETSが普及したせいかテレビテロップ等で見かける機会が多いのですが、所謂「書体好き」の人が使うものではないようです。

けれども僕、この「ロダン」という書体がわりと好きなのですね。少数派な気がして心配になってしまいますが……。

shingo

robin

「ロダン」は横組みで綺麗に見えます。「新ゴ」が前へ前へと主張する強い子なら、「ロダン」は内向的な奥ゆかしい子という感じです。僕は奥ゆかしい子のほうが好きだなあ。「ロダン」で組まれているほうが落ち着いて見えます。

それと、「ロダン」の仮名って、初号ゴシック(=游築初号ゴシックかな・游ゴシック体初号かな・ヒラギノ角ゴオールド・かな民友ゴシック・YSEG)に似てるんです。

hikaku

似ている部分をピックアップしてみました。はじめて「ロダン」をちゃんと意識したとき、どこか懐かしい気持ちになったのですが、初号ゴシックのような面持ちだったせいかもしれませんね。

「ロダン」はひと文字ひと文字のバランスが悪く感じられるところもあるし、太いウエイトだと漢字が潰れて見えるなどの欠点もあるのですが、なんとも憎めない書体です。