游築見出し明朝体の傾き

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雑誌『芸術新潮』の1月号を見て、少し違和感をおぼえました。

あれ……? 「白隠」って文字、傾いてない?

ここで使われているのは、
字游工房による「游築見出し明朝体」というフォントです。
自分もつい先日購入したばかりなので、検証してみました。

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どうでしょう? 他の書体と並べてみても、
「游築見出し明朝体」だけ傾いて見えます。
いちばん右のヒラギノ明朝体はしっかりと正立していますね。

そんなことをツイッターでつぶやいていると、
@kzhr さんから以下のページを教えてもらいました。

游築見出し明朝体のデザイン上の問題点・傾き

しかし游築見出し明朝体のベースとなった36ポイント活字はほとんどの文字が左にすこし傾いていて、まっすぐ立っている文字のほうが珍しいという状態でした。この傾きをデザイン上のバグとして直してしまうのか、そのままにするのかは、游築見出し明朝体を制作するにあたっての大きな問題でした。

なんと公式サイトでしっかり解説されていたとは!
それも非常にていねいに書かれていて、
ははぁさすが字游工房さんだ!と思ったのでありました。

でも僕、やっぱり傾いているのは気になります(笑)。
けれどもこの書体の持ち味を活かしたいときもある……。
なので、「ここは秀英初号で」とか
「ここは游築見出し明朝体で」等というふうに
うまく使い分けることになりそうですね◎。

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街で見かけた写植書体

東京都にお住まいのBさんが
とても貴重な画像を送ってくださいました。
写植書体が町中で使われている事例です。shaken02

↑)こちらはモリサワの「太ゴシック体B1」。
DTPフォント化はされてませんが、ファンも多い気がします。

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↑)写研の「石井明朝体」!(ウエイトは「太明朝体」かな?)
この書体、とくに「〜中明朝体」は
80年代の広告でばんばん使われたことでおなじみです。

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↑)写研の「石井太丸ゴシック体(BR)」!
近年「筑紫丸ゴシック」や「秀英丸ゴシック」「丸アンチック」などで
注目を集めるオールドスタイルの丸ゴシック体です。
写植が全盛のころの丸ゴシック体といえばモダンな「ナール」が主流で、
オールドスタイルのBRにはなかなか注目が集まらなかったとか。

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↑)こちらは筆者が「北海道新聞」で見かけた広告です。
メインのキャッチコピーに
写研の「新聞特太ゴシック(YSEG)」が使われていました。
「これ、ヒラギノ角ゴオールド(もしくは初号ゴシック仮名)では?」
とも訊かれたのですが、
「は」の一画目に“くねり”があるのはYSEGだけで、
「かな民友ゴシック」にもありません。

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↑)また、最近ひそかに流行っている「ニンジャスレイヤー」の
広告キャッチコピーが写研の「ゴナ」です(→出典元)。
ふつうならモリサワの「新ゴ」を合わせるところに
あえて「ゴナ」を使うなんて……!(すごい)

たぶんこういうのって書体アウトラインサービスを
使ってるんでしょうけど、そのための料金って
クライアントさんが支払ってるんでしょうか……。
謎はつきません。